「御霊の実@愛・喜び・平和」

A.努力や訓練ではなく、聖霊の実

 「優秀な日本国民が、真理を知り自信を持てば、素晴らしい国をつくることができます。・・・」と、『人生を建て直すバイブルの品性』の著者、長田和子さんは言います。そして、世界を変えるのは、キリストの品格を持って生きる人々です。この品格を持つのには、努力や訓練ではなく、聖霊の働きが必要です。  御霊の実は、「御霊によって歩む者」に結ばれる「愛・喜び・平安・寛容・親切・善意・誠実・柔和・自制」(ガラテヤ5:22〜23)の実です。一人ひとりが御霊の実を成長させて、神さまからいただいた才能をこの世のために使っていく時、全人類が一つになるのです。

B.聖書より

これに対して、霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。これらを禁じる掟はありません。ガラテヤ5章22〜23節
 聖書の中に「御霊の実」の一つとして挙げられている完全な愛とは、1)自発的な愛、2)無条件の愛、3)犠牲的な愛、です。神さまはご自分の子イエス・キリストの死によって、人の不完全さを赦され、神さまと和解させてくださいました。このような自己犠牲を伴う神さまの愛こそが、「御霊の実」の土台です。人が完全な愛で十分に愛されているならば、どんな苦しみや悲しみも乗り越えることができます。神さまの愛に満たされているならば、自分と人との関係も良くなり、聖書にもあるように、恵みが追いかけてくる祝福された人生を歩むことが出来るのです。喜びの実とは、イエス様に内在していただくとき、その副産物のようにして与えられる実です。第三の実は、平和です。平安の実を得たいと思うならば、神さまとの和解が必要です。平安は、人間に希望を与えます。絶望的状況にあっても希望と信仰を失わず、安定した心の状態を保つことのできる力、それが平和という品性です。

C.「主婦之友」  信仰は思想でなく生活

 1917年(大正6)、「主婦之友」を創刊したのは、クリスチャンの石川武美(たけよし)(1887〜1961)です。石川は大分の生まれで、17才で上京し書店員となり、その間、教会に通って、1907年(明治40)に受洗し、忠実な教会生活を送りました。家庭を遠く離れて寂しい生活をしていた者として、教会の穏やかな温かさから、日本の家庭のために働きたいという念願を抱いたと、後に石川は記しています。「主婦之友」は、家庭生活に関する実用的な記事、家庭内の悩みなどを掲載し、3年後には、日本で一番たくさん売れるようになりました。石川は、「信仰は思想でなく生活である」と質素な生き方を実行し、社員の給与は極めて高い金額でした。教会の会堂建築のために献金したり、お茶の水図書館を設立するなど貢献しました。
 太平洋戦争が始まると、当時の主婦の友社の姿勢は、「戦争は望まぬ。しかし、国家の最高方針が決定した以上は、その線に沿って協力しなければならぬ」というものでした。この頃、主婦の友社では、陸軍に戦闘機を一機、献納しています。
 敗戦後、石川はアメリカ占領軍に呼ばれ、「お前は戦争に協力したか」と聞かれたとき、「日本国民として、戦争に協力しました」と、ハッキリと答えました。クリスチャンの石川は、自分を偽ることができず、神の国の平和を知っていたために、人を恐れることもありませんでした。「戦争に協力したと、明言したのはお前が初めてだ。その勇気と正直は、日本の再建のためにぜひ必要だから、『主婦之友』は廃刊しなくともよい」と言われ、2年後に「主婦之友」の経営に復帰、戦後の婦人の暮らしを助ける記事を掲載しました(2008年、休刊)。
 晩年の石川は、「信仰雑話」の中に「日本の再建は、『・・・『なぜ戦争をしたか』ということを反省せねばならぬ。・・・謙虚な気持ちで反省して、そこから元気よく立ちあがるのだ。反省があれば懺悔をせねばならぬ」と。石川はその都度、真剣に真理を求めました。そのような態度を持つ人が、平和を実現させていただけます。

D.結び

 イエス様を救い主として受け入れ、愛と喜びで満たしていただきましょう。神さまを畏れ、人を恐れずに、平和を実現する人となりましょう
御翼2010年9月号その1より


  
世界で活躍したクリスチャン HOME